クロスバイクをドロップ化するとどこで損をするのか?

クロスバイクをドロップ化

クロスバイクのカスタマイズが進んできて、自転車に愛着が湧いてくるとついつい考えてしまうクロスバイクのドロップハンドル化

しかし、ネットでドロップ化について検索すると、「やるもんじゃないよ」と肯定的な意見はあまりみられません。きっとどこかで損をするからだと思うのですが一体どこで損をするのでしょうか?クロスバイクをドロップ化すると損するポイントについてまとめてみたいと思います。

フレームで損をする

フレームで損をする

フレームの設計

いきなり核心に迫る内容ですが、クロスバイクとロードバイクの大きな違いはフレームです。重さもしかり、ロードバイクのフレームは速く、そして振動吸収など快適に走るための設計がしっかりとされています。振動の吸収やねじれの反発による加速など、自転車の構造を最大限に引き出す為に考え抜かれています。

一方、クロスバイクのフレームはというと、設計はロードバイクほど速度を追い求めた設計ではありません。どちらかというと、頑強でローコストというコンセプトのもと作られたフレームが多いのではないでしょうか。また、「エンド幅」とよばれる「タイヤの軸を固定している幅」がクロスバイクは135mmのものが多く、ロードバイクの130mmと適合しない為、ロードバイク用のホイールが使えません。ちなみに、ジオスミストラルやジャイアントエスケープはエンド幅が130mmなので、ロード用のホイールを装着することができます。

フレームの素材

素材はアルミが多いのではないでしょうか?中にはクロモリやカーボンとこだわりの素材で作られたフレームのクロスバイクもありますが、素材の点でもロードバイクのフレームとは異なります。

クロスバイクをドロップ化するということは、クロスバイクのフレームでロードバイクと同じような能力を求めるということです。エントリークラスのロードバイクのフレーム設計と比べて、重さや反発性能、振動吸収性が高いかどうか。その点ではクロスバイクのフレームのほうが分が悪いように思います。

コンポーネントで損をする

コンポーネントで損をする

ロード用コンポのお値段

クロスバイクの多くはMTB用のコンポーネントが標準で搭載されています。これらをロードのコンポに変えようと思うと、ディーレーラー(リヤ・フロント)、チェーン、リヤスプロケット、フロントギヤ、BBといったたくさんのパーツを変更しなければいけません。

例えば、soraにコンポを乗せかえたとしてざっくりと計算すると、クランクセットが8,700円、リヤディレーラーが3,800円、フロントディレーラーが2,700円、シフトレバーが左右で9,500円、リヤスプロケットが2,800円、BBが2,000円、チェーンが1,400円で合計が30,900円です。

ドロップ化のお値段

あと、ドロップ化しようとするとハンドルが2,500円、ステムが1,500円、ブレーキレバーが3,000円、バーテープが1,000円、シフターケーブルが1,300円、ブレーキケーブルが1,000円として合計が10,300円。

そして忘れがちなのがこれらを交換する工具です。コッタレス抜き、BBツール、ホローテック用のBBツール、アーレンキーなどネットで安く揃えて3,000円くらい。

ジオスミストラルが45,000円とすると、soraのコンポが30,900円、ハンドルが10,300円、工具が3,000円で、これらを合わせて89,200円です。カスタマイズに必要な金額は、ほぼミストラルの本体と同じくらい必要となります。

ブレーキで損をする

ブレーキで損をする

クロスバイクはVブレーキ

クロスバイクはブレーキがVブレーキと呼ばれる構造です。一方ロードバイクはキャリパーブレーキという構造。この違いが一体どのように影響するのか?答えはブレーキレバーです。

クロスバイクのVブレーキは引きしろ(ワイヤーを引く量)が大きいブレーキです。ロードバイクのキャリパーブレーキは小さな引きしろでブレーキが効きます。ということは、ロードバイクに使われているブレーキレバーはVブレーキには使えないということです。

STIデュアルコントロールレバー

そのため、見た目も性能の良いSTIデュアルコントロールレバーというブレーキと変速レバーを合体させたパーツが使えません。ブレーキの位置と変速レバーの位置はなるべく近いに越したことはありません。これが使えないために、変速の度に片手を離して変速しなければなりません。

サムシフターとよばれるパーツを使えば、ブレーキ近くで変速することが可能になりますが、カチカチと変速せず、無段階変速になるので感覚でギヤチェンジをしなくていけないというなんとも難しいところ。気にしないかたは、「損なんてしていない!」と思われるかもしれませんが、クロスバイクのカチカチ変速に慣れているので、なるべくブレーキに指を掛けた状態でカチカチ変速できるものが安全面でも理想ではあります。

まとめ

エントリーロードのお値段

2017年モデルとしてcanonndaleよりcaad optimoというエントリーロードが発売されました。コンポーネントがsoraで税別115,000円。caad8のsoraなら125,000円というのもありました。そのほかにも上位クラスのジオメトリを引き継いだMERIDA RIDE200が86,313円というのも見かけました

自転車本体+カスタマイズ費用と同じくらいの金額で、高い性能のフレームに乗れるというのが、クロスバイクをドロップ化したときに損をすると言われるポイントなのかもしれませんね。ただし、自転車の知識が身につくのは自分でカスタマイズをした方です。じつはこの知識が自転車を楽しませるもう一つの要素だったりもします(笑)。

回り道を楽しむのもよし?

僕の個人的な意見では、大切な回り道だなぁと思います。クロスバイクからカスタマイズを全くせずに、サクッとロードに乗り換えられるのもアリだと思いますし憧れもあるわけですが、僕自身は自分で自転車をカスタマイズをすることで、とても沢山の知識が身に付き、自転車に対する愛着もその都度増していきました。

ということで、クロスバイクのドロップ化については、「性能的には損をするけど、知識が身につくので、どちらもOK」という見解でまとめさせていただこうとおもいます。

一般的には損をしていると思われがちなクロスバイクのカスタマイズですが、「自転車の知識=プライスレス」なのかもしれませんね(笑)。

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