
僕が使っているフロアポンプはトピークの JoeBlow Max HPXです。購入して1年半くらいの時、7barになると空気がプシューっと抜けてしまうようになりました。それ以上空気を入れるには、手でポンプヘッドを固定しながら入れなくてはなりません。
ポンプヘッドを新しいものに交換しようと思い、探していると「ヒラメポンプヘッド」というものがあるのを知りました。みなさんのコメントを見ていると「サイコー!サイコー!」と絶賛の嵐。市場に少なくてなかなか手に入らなかったのですが、ついに僕も手に入れました!今回はヒラメポンプヘッドの交換手順と使い心地についてお伝えしたいと思います!
KUWAHARAについて
ヒラメポンプヘッドはKUWAHARAという日本のメーカーが作っているポンプヘッドです。創業が1918年ともうすぐ創業100年を迎える老舗の自転車メーカー。このKUWAHARAというメーカ名は、あまり馴染みがないかもしれませんが、実はこの会社の製品、皆さんも1度は見ているはずです。
時はさかのぼり、1972年。KUWAHARAは「BMX」を開発。アメリカやカナダ、オーストラリアやヨーロッパ諸国に輸出を開始します。そしてそのBMXは人気を得て瞬く間に広がり、KUWAHARAのBMXチームが各国で編成されるまでになります。そしてBMXの開発から10年後、ある有名な人の目に止まります。
その有名人とは「スティーブン・スピルバーグ」。ハリウッド映画E.T.の撮影にBMXが採用されることになったのです。みなさんも覚えがあるのではないでしょうか。月をバックに空を飛ぶ自転車。まさにあの自転車がKUWAHARAのBMXだったのです。
HIRAME ヒラメポンプヘッド
このような世界的企業が作ったポンプヘッドのクオリティは、すべてのポンプヘッドを超越し、全く別次元のツールということ。
こちらがヒラメポンプヘッド縦カムです。想像していたより大きいなと思いました。ズッシリと金属感があり、しっかりした作りです。
縦カムはこのように縦方向にレバーが動きます。レバーを下に下げると「コクン」と締まるような手応えがあります。
バルブを入れる口を覗き込みながらレバーを操作してみると、レバーを下げたときに黒いゴムが穴の周囲に見えます。このゴムがバルブを締め付けて固定するのだと思います。
締り具合はこのダイヤル式のネジで調節します。ヒラメポンプヘッドをタイヤのバルブに差し込んで、レバーを下に下げ切った時に、程よく締まっていれば大丈夫です。レバーが固くて下に降りないときは、緩めます。また逆にレバーを下に降ろしてもロックしている手応えがなければ、もう少し締めます。これを数回繰り返しながら、丁度良い締り具合を見つけます。一度調整しておけば、次回からは特に調整する必要はありません。
締め付け具合を調整するダイヤルを緩めて外すとこのような感じ。この中のパーツを交換することで、様々なバルブ形状に対応することができます。
ヒラメポンプヘッドは「横カム」と「縦カム」の2種類存在しています。有名なのは「横カム」の方ですね。ディスクホイールや小径ホイールなどバルブ上部のスペースが少ない場合でも「横カム」は使いやすい仕様になっています。
横カムと縦カムの違いといえば、横にパカっとレバーを開くか、上にパカっとレバーを開くかの差だけで、性能には差がありません。構造上縦カムの方が安価に作れるそうです。
お値段は横カムが4,380円+税。縦カムが3,280円+税と縦カムの方が安価になっています。
基本は仏式バルブ用で販売されていますが、オプションパーツを買い足すことで、米式、英式・競輪バルブにも対応できます。
とてもシンプルな作りなので、米式への対応もキャップを外してパーツを入れ替え、もう一度キャップを閉めるだけとお手軽です。
様々なレビューを見ていても、「毎日の空気いれが楽しくなる」「もっと早くに買っておくべきだった」「高いけどそれだけの価値はある」と皆さん絶賛です。価格については、ちょっと高いかな?という意見がちらほらと見えます。トピークのフロアポンプ、ジョーブロースポーツ2が4,000円強で買えることを思うとポンプヘッドだけで同等の金額ですから、それは高いと感じてしまいますよね。
ポンプヘッドの取り付け
根元のネジを緩めて、トピークの JoeBlow Max HPXのポンプヘッドを取り外します。
ホースの先端を栓するようについているプラスチックのパーツを外します。
次にホースが抜けないように固定するため、ホースバンドを用意します。ヒラメをつけるときには、みなさんこのようなホースバンドを使って固定されています。先にホースにホースバンドを通しておきます。
ホースにヒラメポンプヘッドを差し込みます。僕の場合、特に潤滑させるものも必要なく、少し力は要ったもののそのまますんなりと入ってくれました。
ポンプヘッドの差し込み口の1段目の奥まで入りました。これ以上差し込むのは厳しいかな。
ホースバンドをドライバーで回して締め付けます。ホースが締め付けられて少しへこむくらいまで締めました。
これで取り付け完成。ホースバンドのネジの方向をどうするか迷いましたが、レバーもこれ以上下に下がらないので、この位置にしてみました。
ヒラメポンプヘッドを使ってみた感想
まずレバーを上げてロックを外した状態でバルブに差し込みます。この時に驚いたのが、「プシュ」という音すらしないところ。今までのポンプヘッドはバルブを差し込む時に「プシュっ!」と音を立てていました。少しでも差し込み口がズレていると、「プシューーーーっ!」と大量のエアを吹き出させてしまい、タイヤがヘナヘナに(笑)。そうなると元の空気圧がどれくらいだったのか判りません。ヒラメは「ほんとにこれでいいのかな?」と思ってしまうほどです。
レバーを下に降ろしてロックをします。僕のタイヤはWH-R501ですが、スポークに当たったりすることもなく、すんなりと取り付けることができました。レバーを下げた時に、下まで降り切らない場合やしっかりロックできていない場合は、胴体のダイヤルを回して調整を行ってください。
空気を送り込みます。空気をポンプを押し下げると圧力計が8barを通り超していきます。「あれ?大丈夫かな?」と思った瞬間「パキっ」と小さな音がして通常の圧力に。ヒラメポンプヘッドには逆流防止弁が付いていて、その弁が開くときの音だったのです。逆流防止弁が付いているから、高圧でも楽にポンピングができるのだとか。一切空気が漏れず、あっという間に8barまで空気が入りました。
取り外すときはレバーを起こして引き抜きます。この時に一瞬「プス」というくらい。みなさんも体験があると思いますが、ポンプヘッドを外す時に空気が抜けると「8barまで入れたけど、今のプシューっで7barになったんじゃない?もう一回見とくか・・・。」という2度手間がおこります。その点ヒラメは漏れが少ないので安心ですね。
実際に使ってみて、本当に噂通り最高のポンプヘッドだと実感しました。「空気を入れる」ということにこだわりがなかったので、今までは「とにかく入れば良かった」という感じでしたが、これを体験するともう戻れないなと(笑)。
また、以前の記事でヒラメポンプヘッドに少し触れた時「毎朝の空気入れが楽しくなりますよ!」とコメントを頂きましたが、ホントそうなんです。今まで「義務感」だった空気入れが「楽しみ」になる。それが「ヒラメポンプヘッド」の凄いところだと思います。ちょっと値が張りますが、エア管理をしっかりされている方には、噂通り「買い」の逸品ですよ。
世界に羽ばたく「メイドインジャパン」がこんなところにもあったんだなぁ〜。としみじみ感じながら、眺めるヒラメポンプヘッド。「なんだかちょっと、魔人ブウの後頭部に似てるな・・・。」そんなことも思ってしまう秋の空の下でした。

ヒラメのポンプヘッドは以前から興味があったのですが、Amazonだと定価以上の価格になっていますよね~(>_<)
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定価で購入できるお店があれば試してみたいですね。
koicさん
Amazon高いですよね〜。僕もさすがに躊躇して手が出ませんでした。ところがある日フラッと入ったお店で見つけましてびっくり!金額も定価だったので即購入しました。ベックオンという本町のお店だったのですが、HPを見て納得。「ワールドサイクル」さんの実店舗でした。確か楽天でワールドサイクルさんが良心的な金額で売ってたような。(送料がかかるかも)
こんにちは!
ただ今、旅に出たくてウズウズしている日々を送っています。笑
この製品、初めて知りました!
前職でも、すぐにポンプのヘッドゴムパーツがすり減って空気が抜けてしまっていたのですが、これに変えておけばさらに簡単に長持ちしそうですね!
今度、職場の友人に会ったらこれを紹介してみます( ・∀・)
よっちゃん
こんにちは!Twitterを覗かせていただいていますが、お元気そうでなによりです(笑)。
僕もヒラメを知ったのは最近なのですが、ネットで調べるとたくさんの方がブログに掲載されていて、知る人ぞ知る名品のようです。
「そうはいうものの・・・」と過剰に期待しないようにしていましたが、使ってみておもわず「うわっ」と声が出ました(笑)。
自転車屋さんように空気入れの回数が多いのであればなおさら。ストレスなく使えてコスパも良いと思いますよ!
自転車屋さんなら横カムの方がいいかもしれないですね♪