自転車通勤中にはじめて車に幅寄せされた話

はじめて車に幅寄せされた

先日、国道の路肩を走っているときに白いハイエースに幅寄せされ、怖い思いをしました。

こちらはルール通りに車道の左端を25km/hくらいで走行していました。特にドライバーの怒りを買うような危険な走行はしていません。今回は幅寄せされると、どのようなことが起こるのかについてお伝えしたいと思います。

車にぶつかる寸前

いつも通り、国道の左側を25km/hほどで走っていた時、右側に大きな白い車が視界に入りました。手で触ると触れるくらいとても近かったので危ないと思いブレーキをかけましたが、車も一緒に減速。そして目の前でコンビニの駐車場へ入る為に左に曲がってきました。この時車との距離は前タイヤが30cmほどです。僕は急停車をしました。

ギリギリ接触することはありませんでしたが、しばらくその場に立ち尽くし、「自分が悪かったのか?」と自問自答を繰り返していました。しかし何度考えても、特に悪いことはしていないと思うのです。

そう思うと段々と「怒り」の気持ちが沸々と湧いてきました。コンビニに停車しているハイエースのドライバーの所に行ってやろうか。車の写真を撮って警察に届けてやろうか。様々なことが頭を駆け巡りましたが、仕事の時間に遅れてまでやる事でもないという思いもあり、結局は意味もなくハイエースの方をしばらく睨みつけただけで走り去りました。

大怪我をするのは自転車

僕は基本的に、自転車と車がお互いにいがみあわないように、まずは自転車がマナーを守っていかなければいけないと思っています。あまり車に対して悪いイメージもなかったのですが、今回怖い思いをして「大怪我をするのは自転車」ということを改めて感じました。巻き込み事故を起こしても車はボディが凹んだり、傷がついてしまったり、または免許の点数が減ったりとそれくらいです。経済的にも保険で守られているので、せいぜい保険の等級が下がるくらいでしょうか。あとはボディの傷を直す費用くらいです。

しかし、自転車は巻き込まれると大怪我をしてしまいます。死亡する可能性もありますし、後遺症が残る場合もあります。経済で補填できないほどのダメージを受けてしまうのは自転車の方です。

僕は車も自転車もどちらにも乗るので、それぞれの立場で感じることが違うのは知っています。車の視点で自転車との事故について考えると「ややこしい、煩わしいから事故を起こしたくない」と思う気持ちの方が大きく、自転車の視点では「車との接触は大怪我につながる」という恐怖が大きいように思います。

どちらも事故は起こしたくありませんが、もし事故を起こした場合、自転車の方が人生のダメージとしては大きくなることが想定されます。

巻き込み事故とは

このように左折するときに、左側を走っている自転車やバイク、歩行者を轢いてしまう事故を「巻き込み事故」と言います。

通常、巻き込み事故を起こさないようにする為、左側にバイクや自転車がいないことを確認して、道路の左側に車を寄せてから曲がることがあります。

今回のように左側に自転車が走っている場合は、車は減速して自転車を先に行かせてから、左折するのが正解です。ところが今回は、自転車がいるにも関わらず道路の左側に車を寄せ、自転車の走行を遮るようにして左折しています。

視界も良好でしたし、左に曲がる前には自転車が走っていることはドライバーにとっては良く見えていたはずです。おそらくドライバーは、自分がコンビニの駐車場に入るタイミングと自転車が通過するタイミングが被るだろうと予測し、自転車の為に減速するのが煩わしかったので、無理に左に寄せて自転車を減速させて、左折したのではないでしょうか。

こわい思いをしたら

以前、Twitter上で話題になっていましたが、幅寄せをされた挙句、ドライバーに恫喝された上にホイールを蹴られたという、とんでもない事件の話が出ていました。被害者の方は冷静に車のナンバープレートを写真に撮って後に警察に届け出たところ、警察のご協力でドライバーの検挙にまで繋がったそうです。

自転車に乗ってたら車に幅寄せされて降りてきた運転手にホイールを蹴られた…→その後の警察が神対応だった話

自転車への幅寄せは「暴行罪」が成立することがあります。道路交通法においても故意であれば追い越し違反(第28条4項違反)故意でなくても安全運転義務違反(第70条違反)に問われるの可能性があります。

しかし、実際には幅寄せだけの場合は警察が現認しない限り、証言だけでは検挙は難しいという側面もあるそうです。自転車用のドライブレコーダーを設置して、しっかりその時の状況を記録しておくのも一つですね。

まとめ

今回怖い思いをしてみて感じたことは、思ったよりも「感情」がかき乱されたこと。冷静に考えているときはお互いの「マナー」という範疇で考えることができたのですが、いざ実際に体験してみると「感情的」になってしまうことがよくわかりました。

この様な思いをしても、敵対意識を持たず「自分たちがマナーをまず守る」ことを実践していきたいと思います。

近年は自転車人口が増え、自転車が車道を走る様になりました。この事による車と自転車の小競り合いが多く発生しています。

まだまだ日本において自転車は「歩行者扱い」です。ヨーロッパの様に「車両扱い」になって、自転車を追い抜くときは1.5m以上開けて追い抜かなければならないなど、意識の浸透も進んでほしいなぁと思います。

みなさんも幅寄せされたご経験があるかもしれませんが、とにかく事故にならない様に、危険を感じたらすぐに停車したり歩道にエスケープするなど、安全策をとってくださいね!

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コメント

  1. 市川富雄 より:

    嫌な思いをされましたね。同情します。
    マナーの悪い人や、不注意な人とは遭遇したく無いものですが、残念ながら結構な割合で存在しているようで、避けて通れない問題です。
    私も腹を立ててしまうことがしばしばあります。Charioさんのように冷静に対処されるのが良いと思いますが、こちらにもプライドが有りますからね。余裕で許せるならそれにこしたことはありませんが、そうで無いなら権利を主張してガス抜きも必要だと思います。
    我慢しすぎてイライラしていると不注意になりやすく、自分が加害者になってしまうかもしれません。
    私は気が長いとは言えないので、ドライブレコーダー(FLY12CE)をつけようと思っています。試験的にFLY6(v)という後方を写すものをつけてみました(安くなっていたので!)
    これを付けているだけで、なぜか気分に余裕が?こっちには証拠があるぜ!といった感じでしょうかね(^○^)
    これを付けて下手なことをすれば自分の首を絞め兼ねないので、よりジェントルな運転が自然にできるような気がします。
    今まで以上に、楽しくおおらかなツーリングライフを送りたいすからね。

  2. はやひで より:

    ハイエースあるあるですね。

    1. chario より:

      はやひでさん
      あー、ハイエースあるあるですか〜。そういう気性の方が多いんですかね??

    2. イマニシ より:

      自転車に車道通行原則を謡うのは、昨今の歩道上での対歩行者事故が問題となり、自転車側に責任の根拠をかせる為の方便だと私は思っています。

      道路構造令という道路建設の基準となる法令では、自転車は、歩行者と共に歩道通行を奨励する事になっており、歩道幅を3m確保させる事で、なるべく自転車にも歩道を通行させる試みをしているのが、現実です

      私は三重県在住ですが、既に三重県は、自転車の歩道通行全面解禁とされてしまいました。

      つまり、道交法の解釈としての正しい理解を促したいだけであり、実際に車道通行を奨励させている訳ではない様です。

      未だに、約65%のドライバーは、自転車が車道通行が原則である事を知らないとの世論調査もある位です。

      おかしな事ですが、それが実体であり、車道通行する自転車は、ルールを守らない生意気な自転車だと思っているドライバーからすれば戒めてやろうとの考えから威嚇行為に及んでいるものと思われます。。

  3. おりょ より:

    左折するときにドライバーは左に寄せて自転車をブロックし巻き込まないように左折すると自動車学校で習いました。自転車側は行かせてくれるだろうとすり抜けてくる可能性があります。車側も自転車を見落とす可能性があるので、まず事故を起こさないために寄せて自転車をブロックするのは決して間違っていないと思います。

    ただ僕も車の前を走行しているのにも関わらず自転車との距離を空けずに真横に寄せられた(左折しないのに)ときはさすがに怒りました。

    1. chario より:

      おりょさん
      左折をしないのに寄せるというのは、やはり怖がらせようとしていると捉えてしまいますよね。自転車側からすると、大怪我するかしないかというところなので、本当に腹が立ってしまいます。

      一部のマナーの悪い自転車が元で、車側にも言い分はあると思いますが、幅寄せをされたからといって自転車に乗るのをやめる訳でもなし、お互いに何もメリットが無いと思います。

  4. TTY より:

    この問題っていつまでも平行線なんでしょうね。
    車側もマナーの悪い方もいますし、自転車側も・・・
    ただ、車側は免許制なのでさすがに「信号無視」「逆走」なんて方はいませんが、車道を走るロードですらそんな方もチラホラ。
    車を運転するときはミラーで確認して意図的に幅寄せ(危険のない程度)はします。
    横のすり抜けをするバイクや自転車は車側からすると脅威に感じますから。
    やはりお互いが『車両』であって譲り合いってことなんでしょうね。

    1. chario より:

      TTYさん
      ほんと、おっしゃる通りです!同じ車両でありながら自転車には免許が無いのでルールを軽視しがちな部分はあるかもですね。

      無理をすると危険な運転になりがちなので、ゆとりのある運転も大切だなぁと思ったりもします。

  5. はな より:

    はじめまして。
    容易に想像は付きますがハイエースあるあるなんですねw
    私の場合は2tトラックでした。
    どんどん狭くなるクリアランスに焦りながら減速し、最後は向こうの後端とこちらのミラーを擦りつつも何とか…というとんでもなく危ないやり口にムカつきながらも気を取り直し走行再開。
    2㎞ほど先でしょうか、なんと自転車屋の前で自転車の荷降ろし中。
    30km制限の道路でどんだけ飛ばせば追いつくまでに荷降ろし始められるんだ…。
    幅寄せの件に文句を付けたら、「自転車は歩道走れ!」だそうで。
    むしろ店主の方が平謝りしてきたのがとても印象的な出来事でした。

    これからはクルマだけでなく自転車にもドラレコが必需品なのかもしれませんね。

    1. chario より:

      はなさん
      はなさんも怖い思いをされましたね〜涙。自転車を運んでいるからといって、必ずしも自転車に興味があるわけではないんですね。落ち着いて考えると解りますが、なんだか少し寂しい気持ちですね。

      自転車は歩道走れ!ですか…。
      まだまだ新しい道交法が知られていない証ですね。もしくは知ってて意地悪な事を言ってるのかも知れませんが。

      何にせよお怪我がなくてよかったです!

  6. 土の鼓 より:

    検索からこの記事に辿り着きました。先日、自転車で似たような目にあいました。ハイエースではなかったですが。そこは自転車用の幅も用意してある所でそこを逆走もせず普通に通っていたら、凄い寄ってくる車がいて。私は急いでもいなかったので、左折したいのかな?と思い危ないし止まったら、前を塞がれる形で幅寄せしてきてそいつも停車しました。そして怒鳴られました。
    全てが謎でした、意味が分かりません、未だに。本当に意地が悪く自転車が道路を通るのが気に食わなかったとしか思えず。その時は自分が何か悪いことしたか必死に考えましたがどうしても思いつかず。そもそも自転車用道路通っていたし。周りも集まってきて相手は去りましたが、怖かった次に、怒りが収まりませんでした。バックナンバー撮ればよかったです。そして自分も自転車用のドラレコ的なの付けようと心に決めました。冷静に対応も難しいですね、これを書いてるだけでも感情的な文になってしまって。気を付けないと。
    しかし自転車用のルールが法律等できちんと決まってないのもあって実際曖昧なとこやマナー違反の人もいるし、クリアに解決するには難しい問題ですね。例えば自転車も道路を走るべきなのにそれに怒る車ドライバーもいるし、かといって狭く危険な道路で歩道に少しお邪魔すると歩行者に怒られ。自分は車も運転しますし危ない自転車運転がいるのも事実ですし…
    子供も乗るし自転車に免許は難しそうですが、道路上での自転車のルールが明確に決まってくれるといいなあと思います…色々な立場の人の色々な主張がぶつかるとどうしても感情的になりがちなので、明確な決まり事がほしいです。

    1. 土の鼓 より:

      トラウマになり暫く自転車乗れてないのですが、同じ思いされてる方もいる。相手に負けて乗れなくなるなんて馬鹿らしい、また自転車乗ります!よく注意しながら^^

    2. chario より:

      土の鼓さん
      それはとても不愉快な想いをされましたね。理不尽な事柄に本当に心中お察しします。

      怒るドライバーさんも、きっと朝から奥さんと喧嘩したとか仕事がうまくいかなかったとか何か腹立たしいことがあったのかもしれませんね。

      または、自転車乗りを怖い目に遭わせるのも、以前に自転車を引きかけたとか、とてもマナーの悪い自転車にひやっとさせられたとか、何かあったのかもしれないですね。

      土の鼓さんは何も悪いことはしていないはず。だからなにも後ろめたい気持ちなんて持つ必要は無いとおもいます。

      とにかく事故に遭われなくて良かったです!
      一部の方の一時の感情で自転車を辞めるなんてもったいない。そういう方は一定数いるのではないかと推測します!

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