
つい先日、ショップでハブ用のグリスを探していたことを思い出しました。シマノのプレミアムグリスは持っているのですが、評判では「固め」とのこと。
グリスの硬さは「ちょう度」で表しますが、プレミアムグリスはちょう度が高めで、空転させた時の回転数がイマイチなのだとか。そこで見つけたのが「フリーハブグリス」です。
見つけた!?ハブ用に適したグリス
ハブ用のグリスが並んでいるところはないかなぁ〜と店内をウロウロしていました。そこで見つけたのが「シマノ フリーハブグリス」です。このグリスはもしやハブ用のグリスでは?と手に取りました。このグリスは本当にハブに使えるのか念の為確認です。
店員さんに「ハブのグリスアップをしたいのですが、プレミアムグリスとフリーハブグリスはどう違うのですか?」と聞きました。店員さんは「聞いてきますので、少しお待ちくださいね」とのこと。帰ってきて教えてくれたのは「グリスの硬さが違うようです。フリーハブグリスのほうが柔らかいので、回転しやすいそうですよ。」
「ふむふむ。シマノもちょう度の低いハブ用グリスを出してるじゃないか。さすがはシマノ …。」とこのグリスを購入しました。
ハブにはみなさん様々なグリスを試されています。同じく僕も試すべくショップに行って、店員さんにハブのグリスについてどんなものを使っているのか聞いてみたかったのです。
そしてそのグリスを家に持ち帰り、ネットでどれくらいの人が使っているのか調べてみることに。
フリーハブグリスとは?
調べてびっくり!フリーハブグリスはリヤホイールの「フリーボディ」に使用する為のグリスであり「ハブ」に使用するグリスではありませんでした。紛らわしい名称だなぁ。それであれば「フリーボディ専用グリス」という名称にしてほしかったナ…。
フリーボディは、リヤホイールを空転させた時に「カチカチカチ」と音を立てている場所です。ラチェット機構になっていて、ペダルを止めると空転しペダルを回すとホイールに力が伝わる仕組みになっています。
フリーボディはちょう度の高いグリスを使うと、ラチェット機構が正常に機能しなくなる為、ちょう度の低い「フリーハブグリス」を使用するそうです。まさにハブではなく、フリーボディをグリスアップする時に使用するグリスだったようですね。
さらに追い討ちをかけるかのような情報が。「シマノはフリーハブボディの分解は非推奨」となっているそうです。なんと、フリーボディを分解しないでねと、メーカーさんが言っている?ということはグリスアップももちろんしないでねと言っていることになるのではないでしょうか。店員さん、教えてほしかったな(涙)。
「え?このグリスの使い所無くない?」とおもわず呟いてしまいました。
グリスって種類がたくさん
僕はグリスにこんなにたくさんの種類があるとは知りませんでした。プレミアムグリスがあればどこにでも使えると思っていた位です。
グリスの成分も調べるとリチウムだとかモリブデンだとか、カルシウム基だとかウレア基だとか成分の名前が飛び交う奥の深い世界。僕は扉をちょっと開けてすぐに閉じてしまいましたが(笑)。
でも回転について、とっても良い情報が。それは「無負荷のときに回転がいいのと、過重をかけた状態で回転がいいのとは別」ということ。(引用元:えふえふぶろぐ ロードバイクに自転車にグリースのお話)
無負荷の時に回転が良くするには、単にちょう度の低いグリスを使えば良いということです。BBを解体した時に経験したことですが、BBのグリスをすべてパーツクリーナーで飛ばして手で回したら、「シャーッ」と驚くほど勢いよく回転しました。サラサラのチェーンオイルを垂らしておけば、きっと無負荷の時の回転は良くなるでしょう。
でも、これではグリスがすぐに流失してしまって、潤滑性能が長続きしなかったり、負荷が掛かった時に油膜を維持できなかったりということが起こってしまいます。
空転させた時の回転数だけでグリスの良し悪しを測ってはいけないということです。ハブのグリスが少なくなってグリス切れの寸前ぐらいが一番回るのかもしれませんね。
グリースについてまとめ
普段使いでハブのメンテ周期も長ければちょう度の高いグリスのほうが合っていると思いますが、レースなどでは、どのようなグリスを使っているのでしょうね?この辺り、機会があればメカニックさんに是非聞いてみたいところです。
それにしてもグリースの世界は本当に奥が深いですね。調べれば調べるほど疑問と納得の繰り返し。最初は固いプレミアムグリスよりももっと良いグリスがあるはず!と思っていましたが、調べるうちにプレミアムグリスが固い訳がなんとなくわかりました。潤滑性能と油膜の保持性能のバランスを考えた「ちょう度」良いグリスということですね。お後がよろしいようで(笑)。
