
クロスバイクを購入して早いもので2年以上も過ぎました。その間一生懸命に回転し続けてくれたホイール。そのハブのメンテナンスを1度も行ったことはありません。BBは異音がしたり、気になる事が多かったのですが、ホイールのハブについては特に不具合がなかったのでついそのままに。
回転が渋いなど、特に症状があるわけでは無いのですが、今回はハブのメンテナンス(グリスアップ)に挑戦しました。WH-R500前輪ハブのグリスアップについてお伝えいたします。
ハブの解体
まずハブの解体から。取り外した前輪のクイックリリースを外します。バネが飛んで行かないように注意しながら外しましょう。バネの向きは径の小さいほうが内側(ホイール側)。径の大きい方が外側(クイックリリース側)です。
ロックナットを外します。ロックナットを外すには薄っぺらいレンチが必要になります。僕は北欧系家具の組み立て時についていた工具が丁度大きさが合ったのでそれを使いました。サイズは13mmです。専用工具としては「ハブレンチ」という工具が売られています。この部分はナットが2重になっていて、内側のナットを薄型レンチで固定しながら、モンキーレンチを使って外側のロックナットを外します。正ネジですので外側のナットを左に回すと緩みます。
ロックナットが外れました。ロックナットの内側には1枚ワッシャーが入っています。
次に、玉押さえのカップの部分を外していきます。13mmのレンチで左方向に回して緩めていきます。
玉押さえが抜けました。中を覗くとベアリングボールがハブの中に並んでいます。軸を抜くとき、幾つかのベアリングボールがポロポロと転がり落ちました。グリスが少なくなっている証拠ですね。
ハブの中のベアリングボールをラジオペンチを使って取り出します。ピンセットがあればとても取り出しやすいと思います。ベアリングボールはグリスが付いていてベタベタしていますので、すぐにトレーや紙に置けるように準備しておくと良いですよ。
ベアリングを取り除いた後のハブ。中にはグリスが残っています。しかしその量はそれほど多くありません
。僕のハブには泥や金属片のようなものはありませんでした。グリースは黒く変色していますが、元はピンクだったような痕跡がありました。
よく見るとベアリングボールがハブの真ん中に2個ほど落ちていました。恐らく軸を抜き取った時に、落ちてしまったのでしょう。取り出したベアリングボールは片側11個。両側合わせて22個でした。
軸の部分には古いグリスが付いています。このグリスを見る限り、まだグリスの効果は残っている感じです。ただし、量は少なくなっているようです。
グリスの除去とグリスアップ
ハブのグリスをキレイに除去します。ワコーズのチェーンクリーナーをハブ内に吹き付けます。吹き付けた後、一旦ワイプオールで軽く拭き取ります。
次に、ワコーズのフォーミングマルチクリーナーを吹き付けます。フォーミングマルチクリーナーで先ほど吹き付けたチェーンクリーナーと古いグリスを包み込んで落とします。
ワイプオールで尖った形を作り、ハブのくぼみに沿って拭きあげます。ホイールを回しながら、きちんとくぼみのグリスを拭き取れているか良く確認しましょう。
ハブの中心部にもチェーンクリーナやフォーミングマルチクリーナーが流れ込んでいるので、割り箸にワイプオールを巻きつけて、ハブの中心部分を拭き取ります。その時、あまり力任せにやってしまうと、入り口のパッキンを傷つけてしまうので、優しく拭き取るようにしてください。
グリスをキレイに除去できました。
トレーに入れたベアリング、軸、カップもチェーンクリーナーとフォーミングマルチクリーナーを使ってグリスをキレイに除去します。
ベアリングがキレイになりました。傷もついておらず問題なさそうです。ベアリングに傷が付いていたり、変形している場合は交換だそうです。
ハブのグリスアップに今回はシマノのプレミアムグリス(旧:デュラグリス)を使用します。グリスを指に取り、ハブのベアリングボールを並べる場所にグリスを盛っていきます。グリスガンで作業される方もいらっしゃいますが、量の感覚を掴めるので、指での作業がとてもやりやすかったです。
グリスを充填できました。
次にベアリングボールをハブ内に戻していきます。ベアリングボールは全部で11個。しかし10個で1周してしまいました。あと1個はむりやり隙間において、ぐっと押し込むと、ボール全体が少しずつ広がってくれ、無事11個のベアリングボールを入れる事ができました。
ベアリングを押し入れた影響でグリスが少し溢れたので、割り箸を使って余分なグリスを拭い取ります。
左右このように、ベアリングをグリスに埋めていきます。
軸部分にも防サビの為、グリスを薄く塗り広げておきます。特にカップの部分には少し多めにグリスを塗っておきます。
ハブの組み立てと玉当たり調整
軸をハブに通していきます。ベアリングボールに当たらないようにそっと入れます。
ホイールの向きを変え、軸の反対側にカップを取り付けます。手締めで回るところまでしっかりと締めます。
ここから「玉当たり調整」と呼ばれる作業になります。カップを締め過ぎると「ゴリゴリ」という感触になり、回転が渋くなってしまいます。また締め方が弱いと「ガタつき」が出てしまいます。程よい強さでカップを締めます。手締めで目一杯回して、レンチでほんのわずかに「クッ」と締めたくらいにしました。それ以上に「グイッ」と締めて、指で軸を回してみると「ゴリゴリ」した感じがあったので、思ったより緩めなんだなぁという感想でした。
カップの締め具合が決まれば、最後にロックナットを締めます。カップ側を薄型レンチで固定し、モンキーでロックナットをしっかり締めます。ここはしっかり締めてくださいね。
最後にクイックリリースを取り付けて作業完了です!
まとめ
初めてのハブのグリスアップ。玉当たり調整が上手くできるか?が一番の問題でしたが、なんとか程よい締め具合を見つける事ができました。
あと、どのグリスを使うかとても悩みました。1周してシマノのプレミアムグリスに落ち着いたのですが、手で回した時のホイールの回転数だけでグリスアップの成功、失敗を判断できないという点がポイントだと思います。
グリスのちょう度(粘度)の低いものを使えば、手で回した時の回転数は多くなります。ただし、防水性が落ち、流失もしやすくなるので、メンテナンスの頻度も多くなります。
プレミアムグリスはちょう度(粘度)が高く、回転を渋くするという意見もありますが、普段使いを前提にして防水性、維持性を保ちつつ、回転性能を損なわないちょう度ではないかなと思います。
体重がかかった状態での回転性能には問題がないように思いました。
レースとなると異なるかも知れませんが、通勤に使うホイールであれば「このちょう度で、ちょうどいい」というところではないでしょうか。
